大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所大法廷 昭和24年(新れ)104号 判決

主文

本件上告を棄却する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人田辺恒久の上告趣意は末尾に添附した別紙書面の通りである。

第一点について。

倉吉簡易裁判所判事として所論のような起訴前の強制処分に関与し且つ、起訴後第一回公判期日までの間に鳥取地方裁判所倉吉支部判事として保護請求却下の決定をした福浦判事が、同支部判事として第一審の審理判決をしたことは、所論の通りであるが、そのために同判事が職務から除斥されることがないことは勿論、忌避の理由があるものとも認められないから、第一審の判決が憲法第三七条第一項に違反するとはいえない。論旨は理由がない。

同第二点同第三点について。

論旨は何れも刑訴四〇五条に規定されている事由に該当しないからこれを上告の理由とすることはできない。

なお本件は同四一一条により原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

よって刑訴四〇八条、一八一条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 長谷川太一郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上 登 裁判官 真野 毅 裁判官 小谷勝重 裁判官 齋藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 岩松三郎 裁判官 河村又介 裁判官 穂積重遠)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例